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森博嗣先生の名言まとめ【百年シリーズ】

筆者が一番好きな作家は森博嗣先生です。

森先生の作品はミステリ作品として面白いというのは勿論、登場する数々のキャラクターが魅力的なのが特徴です。中でもいわゆる天才キャラを書かせたら森先生の右に出る者はいないでしょう。天才を生み出すことができるのは天才だけなのです。この天才キャラ達を中心とした知的でセンスのある会話や文章こそが森作品の醍醐味であるといえます。

そんな森作品には、心に残る名言が幾つも存在しています。天才は良いことを言うのです。そこで、森先生の小説の中から個人的に好きな名言、というよりはお気に入りの一文を下記にまとめてみました。全てのシリーズを対象とすると膨大な数になってしまう為、今回は百年シリーズ中から選んでおります。

1作品から3つ程度選んでおりますが、それぞれの作品のリンク先には筆者の好きな文章を「お気に入りの一文」としていくつも載せてありますので、気になった方はそちらも合わせてチェックして頂ければと思います。

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女王の百年密室

たぶん、あそこで道を間違えた、という心当たりが三つほどあるけれど、もう遅い。人生なんてこんなものだ、と思う。

地球上のどこで目が覚めようが、目が覚めた事実に比べれば小事だ。

頭で食べたいと思っているほど、躰が受けつけない。だから、セーブした方が調子が良いことが最近わかってきたところでもある。こういうのを、成長、あるいは大人になる、と表現するようだ。

不思議に、悲しくなかった。そのときは、悲しくなかった。悲しくなったのは、ずっとずっと、あとのことだ。人間は、思い出して、悲しくなるんだ。ゆっくりと思い出して、そして……、何かと比較して、悲しくなるんだ。そんな余裕がないときには、悲しくなんてならない。

「あなたの心は乱れています。じっと、静かに、待つことです。水はいずれ平らになる。平らになれば、そこに本当の自分の姿が映るでしょう。鏡の中のあなたを見なさい。そこから、すべては始まるのです」

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迷宮百年の睡魔

けれど、新しいものさえ知らなければ、何も古くなったりはしない。

生きているものは、どうしたって急いでいる。死ぬまでに何かをしようと急いでいる。だから、自然のように繰り返すことを嫌い、常に新しいものを作り、古いものを壊そうとする。ときには、自分さえも、作り替え、壊してしまいたくなるのだ。

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赤目姫の潮解

世の中には金持ちがいるものである。どういった仕組みで、これほどまで富が集中してしまうのか、私はたびたび考えるのだが、充分に理解できないでいる。理解できないから、金持ちになれないということかもしれない。

あとから思い出して、ああ言えば良かった、こう表現すれば良かったのだ、と反省ばかりしている。いくら反省をしたところで、同じ質問が来ることはない。質問はいつも新しい。これまでに答えたことのない問いを向けられるのだ。

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さいごに

いかがだったでしょうか。

まとめてみると、改めて森先生の凄さを実感しました。

こんなにもコンスタントに名言と呼べるような文章を生み出すことができる小説家はなかなかいないのではないでしょうか。

他のシリーズについても近い内にまとめていこうと思っています。