あらすじ
切り裂き魔は、誰?
身動きできない電車の中、息を潜める変質者。ぎゅう詰めが怖い、刃物が怖い。満員電車の中、三十代の女性がナイフのようなもので切りつけられる事件が立て続けに起こった。探偵・鷹知祐一朗(たかちゆういちろう)から捜査協力の依頼を受けた小川(おがわ)と真鍋(まなべ)は、一見無関係と思われた被害者たち全員に共通する、ある事実を突き止める。その矢先に新たな事件が起こり、意外な展開を見せるが……。Xシリーズ第二弾!
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感想
椙田に期待をしていたのだけれど、本作で小川の魅力が爆発しており、とてもよかった。好き。真鍋との掛け合いも面白い。森作品で年上女性と年下男性の組み合わせは珍しいような気がする。椙田探偵事務所のメンバーは漏れなく魅力的なので安心した。今のところは、だけれど。本作ではまだ、期待している高知があまり活躍しなかったので残念。そういえば、登場人物紹介で高知の名前が椙田よりも上に書かれているのが気になる。何かの伏線なのだろうか。実は彼が主人公である、だとかかな。
前作に引き続き、またも精神的に不安定なキャラクターが登場。そういうシリーズなのだろうか。そういう人にはなかなか共感することができないので、もっと理屈っぽく人を殺す頭の良いキャラクタが犯人だったら良いのになと思う。なんとなくこのシリーズには出てこないような気がするけれど。Gシリーズよりは1冊1冊で物語が完結している感じがするので読みやすい。
電車の中で助けてくれた人が想像と違ったので驚いた。匂いに関する描写があったので、てっきりGシリーズの運動家かと思った。それだと時系列的に辻褄があわないかもしれないけれど。他の匂いに関する伏線が回収されていないような気がするのだけれど、僕の読み落としだろうか。川戸からも匂いがしたような描写があったけれど、あまり意味はないのかな。わからない。
前作に引き続き「お気に入りの一文」は少なめ。Xシリーズに共通した特徴でないことを願う。
お気に入りの一文
一人で幸せに生きていこう、という言葉を思いついた。それを思いついただけで、笑いたくなるほど虚しかった。#キラレXキラレ #森博嗣
— ジェニック (@jenik29) 2020年4月26日
「無駄なことがしたくないのなら、今すぐ死んだらいい」#キラレXキラレ #森博嗣
— ジェニック (@jenik29) 2020年4月25日
自分のことを話したがらない、というのも似ている。これは、子供っぽいといえるかもしれない。普通は年齢を重ねるほど、それだけの過去を持っているわけだから、つい自分の経験を語るようになるものだが、彼らにはそれがない。#キラレXキラレ #森博嗣
— ジェニック (@jenik29) 2020年4月25日
小学生か、と思ったものの、そんな自慢げに言われると、三つ入りの枝豆に二つしか入っていなかったときくらい、ほんの少し腹が立つ。#キラレXキラレ #森博嗣
— ジェニック (@jenik29) 2020年4月25日