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あらすじ
βと名乗る教祖をあおぐ宗教団体の施設・美之里。調査に訪れた探偵・水野は加部谷恵美たちと偶然の再会を果たす。つかの間、フィルムでラッピングされ棺に入れられた若い女性の美しい全裸死体が発見された。あちらこちらに見え隠れする真賀田四季の影。紅子が、萌絵が、加部谷たちが近づいた「神」の真実とは。
感想と考察
前作から急に時間が経過していたので驚いた。知らない間に登場人物が歳を重ねており、大学生でもなくなっていた。少しだけ大人になったいつもの3人に雨宮を加えた4人は、やはり、今まで通り、あまり魅力を感じない。本作は萌絵や犀川もほとんど出てこないので、登場人物同士の会話シーンが物足りない。加部谷が山吹の姉について話すシーンは面白かった。ちょくちょく出てくる加部谷が中学生の頃にした体験したという事件が気になる。
久しぶりに紅子さんが長い時間登場したのだけれど、相変わらずに良いキャラだったので懐かしかったし嬉しかった。今後はもっと登場してくれたらいいのになと思う。 紅子さんが犀川のことを「へっくん」ではなく「創平さん」と呼んでいるのが気になった。単純に睦子を前にしているからそう呼んだだけかもしれないれど。
一番変化があったのは赤柳。どうやら本当は女性なのだが、今までは男性に変装していたらしい。そんなことができるのですね。本作では女性として登場。名前は水野涼子。変装した姿だったと考えると、本来の女性の姿は、過去のシリーズで既に登場している誰か知っている人物なのではないか、と疑ってしまう。そうだと仮定してみても、誰なのか見当もつかないのだけれど。
最初は小鳥遊が頭に浮かんだのだけれど、椙田が犀川の両親の話をした時にピンきていないようだったので、間違いなく違うだろう。ちょい役ぐらいで出た程度の人物なのかもしれない。睦子に見破られたというシーンについても記憶がない。「おばさんに戻ったから、久しぶりに会ってみようかな」というセリフがあるので、紅子と会ったことがあるのに、犀川と紅子が親子であることを知らない人、ということになるのだろうか。そんな人物がいただろうか。とりあえず、呼び方は紅子さん、ではなく瀬在丸さんだった。回想では紅子さんと呼んでいたけれど。
紅子が赤柳に保呂草は元気かと聞くということは、紅子は赤柳と保呂草の仲が良かったことを知っているということになる。赤柳は紅子について「ええ、若いときに、お会いしたことがあるのです。知合いというほどではありません。私のことを覚えていて下さっただけでも感激しています」と」と語ってるので、そこまで仲がよかったわけではなさそう。誰だろう。もしかして新宿で椙田が会っていた謎の女性は水野涼子だったのだろうか。わからない。
トリックや事件についてはあまり面白いと感じなかった。やはりGシリーズは自分には合わない。S&MやVの方が面白かった。ギリシャ文字関連の事件について進展があったのでよかった。早く終わってほしい。日記に記されていた「661661」については、加部谷の推理通り「パパ」が正解なのだろう。そういえば、結局、ジェーンはどうやって村に戻ってきたのだろう。
お気に入りの一文
田舎は田舎だ。とにかく不便だ。そして寂しい。それに尽きる。それらの問題は、どんなに綺麗な風景を見ても解決できないものなのだ。#ジグβは神ですか #森博嗣
— ジェニック (@jenik29) 2020年5月2日
「普通、科学者はこういうときには、可能性は限りなくゼロに近いって言うんです。でも、真賀田四季の計算には、そういった誤差はありません。百パーセントの結果が得られるように計算しますから、それを覆す可能性は、ゼロなんです」#ジグβは神ですか #森博嗣
— ジェニック (@jenik29) 2020年5月4日
「科学者というのは、悲観的な人間です。真賀田博士も科学者ですし、世界一の天才なのですから、世界中の誰よりも悲観しているはずです。楽観しているのは、計算をしない幸せな凡人たちよ」#ジグβは神ですか #森博嗣
— ジェニック (@jenik29) 2020年5月4日
納得のいく答が、必ずしも一般的な真実ではない、ということである。#ジグβは神ですか #森博嗣
— ジェニック (@jenik29) 2020年5月4日