ウソとかホントとか。

映画とか海外ドラマとか小説とか。

【ネタバレなし】森博嗣『λに歯がない』読了【感想】

関連記事

 

あらすじ

完全に施錠されていたT研究所で、4人の銃殺死体が発見された。
いずれも近距離から撃たれており、全員のポケットに「λ(ラムダ)に歯がない」と書かれたカードが入っていた。
また4人とも、死後、強制的に歯を抜かれていた。謎だらけの事件に迫る過程で、西之園萌絵は欠け落ちていた過去の大切な記憶を取り戻す。

出典元:https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000205319

 

感想

今まで以上に西之園を中心に話が進むので、まるでS&Mシリーズのようだった。これまでの作品でも、西之園は活躍していたのだけれど、これまで以上の活躍。ただし、S&Mの頃に比べると大人になった西之園はヤンチャをしなくなってしまったという点や、犀川との関係性も成熟しすぎてしまっていという点ではS&Mシリーズよりは魅力に欠ける。それでも、Gシリーズの主要人物3人よりは十分に魅力的。

内容は前作の方が面白かった。最終作に向けてどんどんと面白くなることを期待していたので残念。犯行現場やトリックなんかは森作品らしくて良かった。これはGシリーズを通しての感想になってしまうのだけれど、犯人とのやりとりがないのはやっぱり物足りない。魅力的な犯人はミステリに必須であるように感じる。

そういえば、本作でも触れられた西之園の両親の事件についてのフラグはいつ回収されるのだろう。てっきり四季シリーズで回収されるものかと思っていたのだけれど、そういえば回収されないままだった。なんとなくGシリーズで回収されそうな雰囲気がある。

ネタバレになりそうなので、詳しくは書けないのだけれど、次作以降、僕の大好きなキャラクタが深く関わってきそうでので嬉しいし楽しみ。早く。待てない。本作までがGシリーズの序章と考えていいのかもしれない。序章にしては長過ぎる。ここからかなり楽しませてもらえないと割に合わない。前作の感想にも同じようなことを書いたような気がする。そろそろ盛り上がってきてほしい。もしもまたGシリーズを読み返すことがあったなら次作以降からで良さそう。まだ途中なのでわからないけれど。

本作はお気に入りの一文が多かった。おかげで何度もTwitterにメモをしなければならず、集中して読むことができなかった。嬉しい悲鳴とはことのことだろう。いや、なんとなく違うような気がする。

 

お気に入りの一文