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あらすじ
科学者・真賀田四季。
幼くして発現する、真の天才。
圧倒的人気のカリスマ、真賀田四季の物語、第1弾。天才科学者・真賀田四季(まがたしき)。彼女は5歳になるまでに語学を、6歳には数学と物理をマスタ、一流のエンジニアになった。すべてを一瞬にして理解し、把握し、思考するその能力に人々は魅了される。あらゆる概念にとらわれぬ知性が遭遇した殺人事件は、彼女にどんな影響を与えたのか。圧倒的人気の4部作、第1弾。
出典元:https://booklive.jp/product/index/title_id/184421/vol_no/001
感想
楽しみにしていた四季シリーズの1作目。結論から書くと期待していたほど面白くはなかった。面白かったのだけれど、期待しすぎたといった方が正しいのかもしれない。短編集のどれかの感想で「森作品は恋愛要素があってこそ面白い」みたいなことを書いたような気がするけれど、四季シリーズはそのあたりの要素が物足りなそう。「僕」については、いつかもう一度読み返してしっかり理解したい。何度読み返しても完璧には理解できなそうだけれど。名前に関する勘違いの件があるので、つまりはそういうことだろうとは思うけれど。
紅子さんに萌絵ちゃん、各務亜樹良まで出てきたので驚いた。もしかして四季シリーズはS&MシリーズとVシリーズを繋ぐシリーズなのだろうか。そういえば萌絵ちゃんの両親の事故についてはあまり深く掘り下げられてこなかったような気がする。つまり森先生は初めから四季シリーズを書くつもりでいたということなのだろうか。もともと真賀田四季というキャラクターは掘り下げられる前提で作り出されており、四季シリーズに関わる、四季に影響を受けた登場人物についてのシリーズを先に書いたのだとしたら腑に落ちる。
そう考えると、森先生の頭の中はS&Mシリーズを書いている時点でどこまで世界が広がっていたのだろうのと想像しようとしてみたのだけれど、四季という天才を生み出した森博嗣という天才の頭の中が想像できるわけがなかった。
そういえば、ジョークを言う萌絵ちゃんのお父さんが、どこか犀川先生に似ているような気がした。女性は気づかない内に父親に似た人を好きになるという話を聞いたことがあるけれど。
お気に入りの一文
どんな童話でも、良い人間は皆、形も良い。醜いものが愛される物語もあるけれど、最後には、美しい姿に変わってハッピィエンドになる。そうならなければ、幸せは訪れないかのように。#四季_春 #森博嗣
— ジェニック (@jenik29) 2019年10月26日
「人間の行動なんて、必ずしも合理的なものではない。あとから、どうして自分はあんなことをしたのだろうって思うことばかりだ。〜」#四季_春 #森博嗣
— ジェニック (@jenik29) 2019年10月26日
「貴方にとって価値がなくても、私には価値があるの。ですから、私に黙って消えてしまわないで」#四季_春 #森博嗣
— ジェニック (@jenik29) 2019年10月26日
「彼女の不安定さは、過大な自己評価に起因しているの。けれど、自分を正しく評価したときには、今よりも状況は酷くなるでしょう」#四季_春 #森博嗣
— ジェニック (@jenik29) 2019年10月27日
「うん、そうかもしれない。もっと、その、複雑なことができたら楽しいと思う。入力も出力も、もっともっといろいろなパターンがあると思うんだ。可能性は無限だね。うん、少なくとも、人間と同じくらいにはっていう意味だけれど」#四季_春 #森博嗣
— ジェニック (@jenik29) 2019年10月28日
僕以外に、いったい誰が彼女をちゃんと理解できるだろう。この近さは、それでもアンドロメダほども隔たりがある。単に最も近い、というだけのことだ。#四季_春 #森博嗣
— ジェニック (@jenik29) 2019年11月1日