ウソとかホントとか。

映画とか海外ドラマとか小説とか。

【ネタバレなし】森博嗣『恋恋蓮歩の演習』読了【感想】

関連記事

jenik.hatenadiary.com

 

あらすじ

航海中の豪華客船 完全密室から人間消失

世界一周中の豪華客船ヒミコ号に持ち込まれた天才画家・関根朔太(せきねさくた)の自画像を巡る陰謀。仕事のためその客船に乗り込んだ保呂草(ほろくさ)と紫子(むらさきこ)、無賃乗船した紅子と練無(ねりな)は、完全密室たる航海中の船内で男性客の奇妙な消失事件に遭遇する。交錯する謎、ロマンティックな罠、スリリングに深まるVシリーズ長編第6作!

出典元:http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000203542

 

感想

第1章がとにかく最高。好みの文章が幾つもあった。自分は森博嗣先生の書く、恋愛に関する描写が好きなのだと気付かされた。S&Mシリーズが好きなのは、常に恋愛関係にある犀川助教授と西之園萌絵ちゃんの描写があったからなのかもしれない。

各務亜樹良が意外にも早い再登場。彼女が出てくると保呂草パートが面白い。泥棒側からの視点を混ざることで、物語が一段と面白くなる。

例のごとくクセの強い他の登場人物たちに振り回される祖父江七夏さんも相変わらず可愛らしかった。女性の登場人物の中では彼女が1番好きかもしれない。

最後のオチは何度か想像していたけれど、その推理は間違っていると思わせられる文章にまんまと騙された。おそらくは森博嗣さんの思惑通りなのだろう。「やっぱりな」という気持ちと「やられた」という気持ちが交錯するラストだった。

トリックや犯人なんかについてはそこまで面白くなかったけれど、それ以外が充実していたので、トータルで考えると前作には及ばないにしても面白い作品だった。

 

お気に入りの名言